アメリカと日本における薬事情の大きな違い

日本で処方されたり市販されている多くの薬はアメリカなどの欧米諸国で開発されたものです。アメリカは新薬の開発に10兆円と超える研究費を出しており、新薬にかける意気込みが違うとも言えます。また薬の許認可を行うFDAも業務が迅速で、許可が下りるまでのスピードも日本と比べて格段に早くなっています。

医療技術も進んでいるアメリカですが、薬の事情については日本と大きく異なります。まず体のサイズが違う点です。薬の服用量は主に体重に左右されます。したがってアメリカ人は日本人と同じ病気にかかっても消費する薬の量が多いのです。当然、一粒当たりの錠剤のサイズも大きくなります。日本人がアメリカの錠剤を見るとその錠剤の大きさに驚きます。

またアメリカでは一般人は医療保険に入っていないと、なかなか病院に行こうとしません。医療費が莫大になってしまうからです。日本と違い国民医療保険の制度が整備されていないため、民間の保険会社で医療保険に加入するしかないのです。

こういった背景からアメリカ人は軽い風邪程度なら病院には行かず、自分で薬局に行って薬を購入しセルフメディケーションをする傾向にあります。アメリカの薬局ではOTC薬が充実しているため、OTC薬でも十分効き目を期待できるのです。またサプリメントや健康食品も人気で薬の代用として摂取している人も多くいます。

また国民性からなのかアメリカでは痩せると謳われたサウリメントやマウスウォッシュなどがよく売れます。これは太っているのと口臭を気にしている性格から来るのではないかと言われています。

またアメリカでは薬剤師と医師の専門化も非常に進んでいます。日本では医師のみが薬の処方を行いますが、アメリカでは薬剤師が薬を処方できるのです。ただし患者が加入している保険会社によっては処方できる薬が決まっている場合があります。保険会社は薬代の安いジェネリック薬を処方させようとするのです。このような時に、薬剤師は保険会社と交渉まで行います。アメリカの薬剤師は患者のために薬の飲み方や注意点だけではなく、生活を改善するためのアドバイス全般まで行います。

薬剤師には調剤助手と呼ばれるテクニシャンがついているため、調剤自体も薬剤師は行いません。アメリカでは薬剤師の地位が高く平均年収も1100万円と非常に高いのが特徴的です。しかし最近はインターネットで処方箋が必要な薬が購入できるような仕組みが整ってきたため、少し薬剤師の立場が低くなってきた傾向も見られていますが、未だにアメリカでは薬剤師は医師と並ぶレベルのステータスを誇る職業となっているのです。